蛋白漏出性腸症(たんぱくろうしゅつせい ちょうしょう)とは、腸管内部から多量の蛋白が漏れ出てしまうことによって、血液中のタンパク質が少なくなる低たんぱく血症となる病気です。原因も様々で、性別や年齢を問わず発症します。
もくじ
原因となる腸疾患
腸リンパ管拡張症
何らかの原因でリンパの流れが妨げられ、リンパ管が拡張し、機能不全を起こす病気です。先天性のリンパ管形成不全によるものと後天性のものがありますが、犬では先天性のものは稀だといわれているそうです。
リンパ管は全身に張りめぐらされていて、リンパ管の中にはリンパ液が流れています。腸リンパ管は、腸の粘膜や粘膜下組織(粘膜下織)に存在します。小腸で吸収された栄養素のうち、糖やアミノ酸は毛細血管に入りますが、脂肪分は腸リンパ管に入り、リンパの流れに乗って静脈まで運ばれます。
消化管型リンパ腫
消化器型リンパ腫は、犬の消化管に発生する腫瘍の中で最も多い腫瘍です。T細胞が腫瘍化したものが多いです。
慢性嘔吐、慢性下痢、食欲不振、体重減少などが典型的な症状です。
炎症性腸疾患
犬の炎症性腸疾患(IBD)とは、原因不明の慢性消化器疾患の事です。簡単に言うと、慢性的な胃腸炎が起きてしまう病気です。下痢や嘔吐を初めとする胃腸系の症状が出る場合、炎症性腸疾患(IBD)を発症している可能性があります。
感染症
ウイルスや細菌が原因となり、病気を引き起こす犬の感染症。普段から健康に気をつけていても、予防接種を受けていても、思いがけないきっかけで発症する恐れがあるのも感染症の特徴です。特に犬は室外に散歩に出かけたり、他の犬と接触する機会も多いペットであるため、思いがけないタイミングで感染症を患うこともあります。
アレルギー
人間が花粉症になったり、食べ物などでアレルギーを起こすことがあるのと同様に、犬にも体質によってアレルギーがあることがわかっています。
などがあります。
【参考HP 】
治療法はそれぞれ異なる
実際の治療法についてはかかりつけの先生にご確認ください。
原因に応じた治療を行います。慢性の炎症性腸疾患がある場合には消炎剤などの投与を行い、腸リンパ腫などが原因の場合は抗がん剤の投与などを行います。併せて、脱水や嘔吐、下痢などの症状に対する対処療法を行ないます。腸に負担の少ない処方食を用いた食餌療法を同時に行なうこともあります。また、近年、再生医療、細胞治療の研究がさかんになされており、病院によっては有効な治療方法の一つとして実用化されています。
【引用HP 】
フードは低脂肪のものが良いそうです。こちらなど。
発症を予防することは難しい
症状として慢性的な下痢が見られることが多いですが、見られないこともあります。体重減少や元気消失、嘔吐、脱水などの症状があるときは、早めに動物病院での診察を受けましょう。
また、他の病気と同様に、早期発見・早期治療を行うために定期的に健康診断を受けましょう。