
うさぎがかかりやすい病気「胃腸うっ滞(消化管うっ滞)」についてお話ししたいと思います。この病気は毛球症ともよばれ、うさぎが最もかかりやすい病気の一つです。
軽症に見えても、急激にお腹が張ってきてショック状態になり、急変することもある怖い病気です。
もくじ
胃腸うっ滞(消化管うっ滞とは)
うさぎが毛づくろいなどで飲み込んだ毛が胃内に溜まり、胃腸の機能が低下したり停止したりする病気です。腸内細菌のバランスが崩れている場合は、お腹に異常な量のガスが溜まり「鼓腸症」と呼ばれる症状にまで悪化する場合もあります。
症状
食欲が低下する、オシッコやウンチの量が少ない、ウンチがとても小さくなる、などがあります。症状が進行すると、元気がなくなる、部屋やケージの隅でじっとしままま動かない、ソワソワと落ち着かない、お腹が張っている、などの症状が見られます。
原因
最も多い原因は、うさぎ自身の毛づくろいで毛を飲み込んでしまうことです。
うさぎは、猫のように、飲み込んだ毛を吐き出せないので胃内に溜まっていきます。
毛づくろい以外の原因では、どこかに痛いところがある(例えば歯が痛いなど)、エサが合っていない、寒すぎる又は暑すぎる、何かストレスに感じていることがある、などが原因で引き起こされる場合があります。
つながったウンチが出たら要注意!
うさぎのウンチは、通常コロコロと丸い形をしていますが、換毛期(毛がわり)の時期などに、繋がったウンチが出ることがあります。これは、胃内に毛が溜まっている状態を現します。牧草と水を与える、適度な運動をさせる、など日頃の飼育環境を見直し、うさぎの体調に少しでも異変を感じたら、出来るだけ早く獣医師に診てもらってください。
ブラッシングは大切
日頃のケアが大切です。うさぎの毛繕いで、毛を飲み込ませないようにするためブラッシングをして余分な毛を取ってあげましょう。特に換毛期は入念にしてあげるといいです。

日頃から出来る胃腸うっ滞の対策
胃腸うっ滞にならないための対策をまとめてみました。日頃から気を付けておくとよいと思います。
うさぎにとって繊維質はとても大事
うさぎは繊維質が不足すると消化する力が鈍り、お腹の働きが滞ります。
胃腸うっ滞を引き起こす要因になりますので、牧草は毎日必ず与えましょう。
牧草を自由に食べれられるようにしましょう
牧草に含まれる繊維質は、うさぎの排便が促され、胃腸うっ滞予防に役立ちます。
ケージやうさぎが過ごす場所には必ず牧草を常設して、うさぎが自由に食べられるようにしてください。
牧草には色々な品種があります!
様々な品種があり、うさぎの年齢や好みに合った物を選んであげると良いでしょう。
チモシー
「一番刈り」硬い、繊維質が多い、低カロリー。「二番刈り」やや柔らかい、繊維質がやや少なめ、やや高カロリー。
「三番刈り」柔らかい、繊維質が少ない、高カロリー。
おすすめは「一番刈り」チモシーです。
低カロリーなので食べ放題に適した牧草です。
「二番刈り」と「三番刈り」は高カロリーのため、食べ放題には向いていないかもしれませんが、一番刈りの牧草を食べてくれないうさぎには、二番刈りの牧草を混ぜてみると食べるようになる場合もあります。
生後半年以下の赤ちゃんうさぎには

うさぎが赤ちゃんの時期は、アルファルファ牧草を与えると良いです。
生後半年を過ぎて大人になって来たら「チモシー」を与えてください。
大人になってもアルファルファ牧草を与え続けると、肥満の原因になります。
チモシーを食べない場合は他の品種を与えてみましょう
うさぎの好みによって牧草を選ぶことも大切です。「オーツヘイ」繊維質が非常に多い、低カロリーで歯ごたえが良い。
「オーチャードグラス」柔らかい、風味が良い。
これらの牧草は、「二番刈り」に飽きたうさぎや、美味しい牧草しか食べてくれないうさぎに向いています。

いつでも自由に飲める新鮮な水を用意する
排泄を促すために、水を飲むことも大切です。
うさぎが、いつでも自由に飲める新鮮な水を必ず用意してください。
給水器で飲むのを好むうさぎと、犬のように皿から直に飲むのを好むうさぎと、色々なタイプのうさぎがいます。それぞれのうさぎに合った水の飲みか方を見つけてあげて、自由に水が飲める環境を用意してあげてください。
適度な運動は、胃腸うっ滞予防になります
運動不足は腸の動きが悪くなり、便秘がちになってしまいます。
うさぎも人間同様、健康な体を維持するために運動は欠かせません。
うさぎが自由に走り回れる運動スペースを用意し、一日に一回最低でも30分は自由に運動させましょう。
我が家では、室内で、飼い主の目の届く範囲内で一日一回、自由運動をさせています。
時間にすると1〜2時間くらいを毎日行っています。
胃腸うっ滞 予防のサプリメント
うさぎが飲み込んだ毛を、自然に排出するのを助けてくれるサプリメントがあります。
自然素材から作られているので、定期的に与えることで排泄を促してくれます。
バニーセレクション ヘアボールコントロール
アクティブE
パパイヤサプリ
など各メーカーから出ています。
ただし、これらサプリは嗜好性が高く、甘くて高カロリーな物もありますので、肥満にならないよう与えすぎには気をつけてください。
うさぎは自分のウンチを食べます
食糞(しょくふん)と言い、うさぎはお尻から直接自分のウンチを食べます。
これは通常の排泄するウンチとは違います。
「盲腸糞」と言い、うさぎの体の中の細かい繊維など、必要な栄養が固まってお尻から出てくる物です。言うなれば、うさぎが、自分の体の中で作った天然のサプリメントです。
うさぎが、自分のお尻にくちを付けて直接ウンチを食べている場合は、必要な栄養を補給するための大切な行為であることを理解してあげてください。
うさぎの病気まとめ
今回は、怖いうさぎの病気についてのお話でした。しかし、胃腸うっ滞は日頃のケアで予防できる病気でもあります。
食欲に変化はないか、水を飲んでいるかを、毎日のお世話の中で見てあげると良いでしょう。また、ブラッシングでうさぎに触れることは、体に異変がないか確認する機会にもなります。
デリケートで繊細なうさぎが、いつまでも健康でいられるように、日頃から良く見てあげることが大切ですね。